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- 犬の腎臓病に漢方は使えるのか?|長引く辛い治療を自然な回復サポートへ
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- 2026/01/05
- 腎臓や肝臓などの内臓疾患
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大好きな愛犬には、「一日でも長く、元気に過ごしてほしい」。腎臓病と診断され、必死にケアを続けている飼い主さんなら、誰もがそう願うはずです。
毎日の通院や点滴、なかなかご飯を食べてくれない姿を前に「本当にこのままでいいのかな?」と、心が折れそうになることもありますよね。そんな時、犬の腎臓ケアに漢方を取り入れることで、その子が本来持っている「生きようとする力」を引き出し、その子らしい毎日を守れる可能性があるんです。
この記事では、漢方がどのように愛犬の体を支えてくれるのかを解説します。
なぜ犬の腎臓病に漢方がオススメ?今の治療が長引く理由とは

犬の活力を守るために、腎臓への負担を和らげる漢方を選ぶ飼い主さんが増えています。そもそも、なぜ腎臓病の治療はこれほど長く続き、犬も飼い主さんも疲れ果ててしまうのでしょうか。
腎臓病は発見時に進行していることが多い
腎臓は、ぎりぎりまで弱音を吐かない臓器です。そのため、飼い主さんが「最近なんだか元気がないな」など、変化に気づいたときには、すでに腎臓の機能が大きく低下してしまっていることが多くみられます。
一度弱ってしまった腎臓は、完治を目指すことが非常に難しいのが現実です。そのため、今残っている力をいかに守り、長く維持していくかという長期管理が必要になってきます。
参考文献:アニコム損保「犬の腎臓病 原因や症状、治療法まで解説【獣医師監修】」
西洋医学では見えている症状への対応が中心
西洋医学での治療は、血液検査の数値を下げたり、目の前の辛い症状をコントロールしたりすることがメインです。 例えば、点滴で水分を補ったり、お薬で吐き気を抑えたり。これらは命を守るための対症療法ですが、根本的な原因を見つけるまでは至らないことがあります。
犬も飼い主もストレスが多くなる悪循環
治療が長期化すると、生活全体に負荷がかかり始めます。日々の通院や点滴も、嫌がるようになる子が多いです。
さらに排尿トラブルが増えると、お掃除やケアに追われて飼い主さんも疲れが溜まりがちに。特に寒い季節は冷えによって症状が悪化しやすく、「この治療で合っているのか」という不安が募る悪循環に陥りやすくなります。
東洋医学で犬の腎臓病を治療!漢方薬という選択肢

大切な犬の腎臓をいたわってあげたい時、漢方という選択肢があります。東洋医学では、病名だけを見てお薬を出すのではなく、その子の体質や季節による変化を受け止めて整えていきます。
東洋医学で考える犬の腎臓病
東洋医学では、腎臓は「生きるためのエネルギー(精)を貯めておくタンク」のような場所だと考えられており、犬は猫に比べると、もともと腎臓病になりにくいタイプが多いといわれています。
ただ、犬は「陽(熱)」のパワーが強い動物なので、若い頃は癌や炎症などの病気にかかりやすい傾向があります。シニア期に入ると、徐々にタンクのエネルギー(腎)が減っていき、老化とともに腎不全になる子が出てくるのです。猫が加齢とともに自然と腎臓が弱っていくのに対し、犬は糸球体腎炎のような炎症で腎臓を傷めてしまうケースも多い傾向があります。
漢方薬は体の機能のサポートができる
漢方薬は、血の巡りを整えたり水分バランスを助けたりすることで、腎臓がスムーズに機能するよう直接手助けしてくれます。腎臓は冷えに弱いので、冷えやすい体をサポートしたり、体力を支えたりすることで、腎臓の負担軽減につながるでしょう。
また、体に合う漢方に出会えると、表情が明るくなったり、自分から歩き出したりと、見てわかるほどの変化が現れることもあります。
適切な診察の元で効果を発揮する
ただし、注意が必要な点があります。その子の体質を見誤ると、かえって逆効果になることもあるということです。例えば、熱を持っている子に体を温める漢方を使ってしまうと、炎症が強まってしまう恐れがあります。
特に糸球体腎炎による腎不全は要注意です。腎を助けるだけでは炎症が悪化することもありますし、炎症の治療だけだと腎臓が弱ることもあります。「腎臓病だからこの漢方」という一律の処方ではなく、冷え・脱水・炎症などを総合的に評価し、その子に合わせて適切なバランスで治療することが何より大事です。
犬の腎臓病で漢方薬を使うのはどんな時?飼い主さんができること

愛する犬の腎臓を楽にしてあげたい時、漢方を考え始めるタイミングはいつが良いのでしょうか。それは、「数値の改善」を追うことよりも、「この子が快適に過ごせているか」を優先したいと思った時かもしれません。
漢方薬の使用を考えるタイミング
西洋医学の検査で数値が悪化したり点滴や投薬が愛犬の負担になる前でも、多飲多尿の症状が出てきたり、食欲が落ちて元気がなくなってきた時から、漢方の始めてあげることが腎不全の進行を防ぐことに繋がります。特に、冬の寒さで排尿のトラブルが増えたり、体調をガクンと崩しやすかったりする子は、漢方で内側からポカポカ温めて巡りを良くしてあげると、ぐっすり眠れるような安らぎにつながることがあります。
実際点滴など西洋医学的な治療をしている場合でも「これ以上、嫌がることはしたくない」「でも、何かしてあげたい」という飼い主さんの切実な想いに、漢方はそっと寄り添い、今の治療をサポートしてくれます。
穏やかに過ごすための選択を
飼い主さんの心からの願いは、きっと「最期まで苦しまず、心安らかに過ごしてほしい」ということですよね。漢方を取り入れると、痛みや不快感が和らぎ、自分の足でトイレに行けたり、最期まで好きなごはんを一口でも美味しく食べられたりと、その子らしい生活を守れる可能性が高まります。
「枯れるように旅立つ」という、自然で無理のないお別れをサポートすることは、「この子と一緒にいられて本当によかった」と心から納得できることにもつながります。「これでよかったんだ」と今できる最善策を選んであげられたという安心感は、飼い主さんの張り詰めた心も救ってくれるはずです。
漢方薬を始める時に知っておきたいこと
漢方薬を始めるにあたって、知っておいてほしいことがあります。まず、漢方の効果には個体差があるということ。そして、「漢方は効くまでに時間がかかる」と思われがちですが、その子に合った漢方に出会えると、早ければ数日から2週間程度で元気になる姿が見られることもあります。
大切なのは、愛犬が嫌がらずに続けられる方法や、飼い主さんが納得できる治療法をじっくり選んであげることです。
犬の腎臓病に対する漢方薬についてよくある質問
腎臓病の犬にとって、ストレスのかかる治療はどんなものですか?
腎臓病の治療そのものが悪いわけではありませんが、その子の性格や体力に合っていない治療は、ストレスになりやすい傾向があります。
たとえば、
・頻繁な通院や長時間の待ち時間
・毎日の点滴や注射
・無理に口を開けて行う投薬
・食べたくない療法食の強制
こうしたことが続くと、「治療=嫌なこと」と感じてしまい、元気や食欲がさらに落ちてしまう子も少なくありません。特にシニア期の犬や腎臓病が進行している子にとっては、体だけでなく心への負担も無視できない要素になります。治療の目的を「数値を追いかけること」だけにせず、その子が穏やかに過ごせているかどうかを基準に見直すことも、大切な選択です。
漢方薬をちゃんと受け入れてくれるか心配です
「苦くて飲まないのでは」「毎日続けられるか不安」という声は、とても多いです。
ですが実際には、犬の漢方治療は無理に飲ませることを前提にしていません。粉薬を少量のフードに混ぜたり、シロップ状にしたりと、その子の性格や好みに合わせた工夫が可能です。
また、体に合った漢方の場合、
・食欲が少し戻る
・気持ち悪さが和らぐ
といった変化が出ることで、結果的に受け入れが良くなるケースもあります。
大切なのは、「続けられるかどうか」を一緒に考えてくれる医療者のもとで、その子に合った方法を選ぶこと。飼い主さんが構えすぎなくていい治療であることも、漢方の特徴です。
腎臓病でも、生活の質(QOL)を保つコツはありますか?
あります。ポイントは、「治そう」と頑張りすぎないことです。
腎臓病は完治を目指すのが難しい病気だからこそ、
・よく眠れる
・苦しさや不快感が少ない
・好きなことを少しでも楽しめる
こうした日常の心地よさを守ることが、生活の質につながります。
漢方治療は、血流や水分バランス、冷え、体力低下などを整えることで、「その子らしい時間」を支えるサポートができます。
点滴や投薬を減らしたり、治療の強度を調整したりすることは、諦めではなく、優先順位を変える選択です。最期まで穏やかに過ごすために、今できることを選ぶ―それも、立派な愛情ある治療のかたちです。
まとめ|犬の腎臓病にも漢方薬は使える!後悔しない治療を選択しよう
犬の腎臓病において、漢方は単なるお薬ではなく、愛犬の毎日を優しく支える存在です。西洋医学で今の辛さを抑えつつ、東洋医学(漢方)で体全体を心地よく整えていく。この両方の良いところを合わせたケアが、一番無理のない道かもしれません。
「あの時、もっと違う方法もあったのかな」という後悔をなくすために、今の治療に漢方をプラスする未来を考えてみませんか?
大切なのは、犬の今の状態をまるごと分かってくれる、専門的な知識を持った先生に相談することです。愛犬との時間が、一日でも長く、笑顔あふれる日々になるよう応援しています。

















